管状炉・電気炉の選択ガイド

このページでは、電気炉をどのように選択していくのかの一例を紹介します。

管状炉?それともチャンバー炉?

管状炉(筒型)のデザイン

管状炉は、小型のサンプルを加熱する最も安価な方法です。単純に押し棒でサンプルを押して、異なる温度ゾーンの間を移動させることができるので、すばやい加熱・冷却が可能です。

炉心管はクリーンな無塵環境を提供でき、容易にガス雰囲気環境に適合できるので、脱酸素や反応ガスの導入や、腐食性ガスの発熱体からの遮断の役割を持たせることができます。炉心管には以下材質によって性質が異なり、選択が必要です。
非浸透アルミナ磁器シリマナイトムライト再結晶アルミナ石英APM

巻き線式発熱体の搭載されているモデルは炉心管が内臓されています。これは、通常、抵抗線素子が炉心管自体に巻きつけてあるからです。巻き線式発熱体の管状炉は単純で安価な管状炉ですが、内径が150mmを超える製品や最高温度が1200°Cを超える場合には価格が大きく上昇します。

代表的な巻き線式管状炉には以下の製品群があります。
MTF 炉心管内臓小型管状炉CTF 炉心管内臓汎用管状炉

シリコンカーバイド発熱体の搭載されている管状炉(右挿絵)は、アクセサリーの炉心管の使用が必須です。
STF 高温横型管状炉HST 横型開閉式管状炉HZS 3ゾーン横型開閉式管状炉TZF 横型3ゾーン管状炉

炉心管の材質

アクセサリーの炉心管は通常材質の特性によるか、発熱体内臓管を保護する目的のどちらかによって選択されます。

セラミック製の炉心管は通常はIAP(非浸透性アルミナ陶器)で1400°Cまで、ムライトは1500°Cまで、RCA(再結晶アルミナ)は1800°Cまで加熱可能です。石英(1000°C)、金属(1200°C)、SiC(1600°C)の炉心管も製作可能です。詳しくは、左のメニューに従って、オプション=>管状炉用オプション=>炉心管の項目から参照いただくか、以下リンクから選択ください。
非浸透アルミナ磁器シリマナイトムライト再結晶アルミナ石英APM

横型および縦型管状炉



代表的な縦型管状炉には以下の製品があります。
GVA 大口径縦横型管状炉GVC 3ゾーン大口径縦型管状炉STF 高温管状炉TVS 3ゾーン縦型開閉式管状炉TVS17 超高温縦型開閉式管状炉TVS12 縦型開閉式管状炉PVT 超高温縦型管状炉

輻射シールド(右挿絵)は非浸透性が特徴のため、無塵環境や高真空の用途に適しています。断熱プラグ・輻射シールドは、急激な温度変化を軽減し温度ショックによる炉心管の損傷を防ぐ設計です。

1ゾーン・3ゾーン

管状炉は一般に高い温度均一性を提供します。

特に25mm以上の管径においては、均一性を維持するためにアクセサリーの断熱プラグまたは輻射シールドを購入してください。

中央の均一幅をさらに長くするには、両端に加熱ゾーンを加えて、3ゾーン管状炉が選択可能です。

調節雰囲気・真空環境

管状炉はサンプルを不活性ガス環境や真空で加熱しなければならない場合に最適です。

この場合、耐熱輻射シールドで保護された断熱プラグの採用も検討されるため、通常より長い炉心管が必要となります。

開閉式管状炉

炉が半分に分裂して開閉できる管状炉は、作業間の炉心管の交換が容易です。動かせないサンプル(パイプや柱など、一体型の管状炉に通すことが難しい場合)や、引っ張り試験機に固定されたサンプル周囲に移動させることのできることも開閉式管状炉の利点です。

縦型・横型の開閉式管状炉が選択できます。

回転式管状炉

粉末状のサンプルを加熱する場合に適しています。すべての素材を大気に効率よく接触させるので、反応速度がペトリ皿上での加熱に比べ10倍になることがあります。研究室においても、試験においても、産業スケールで粉末を加熱できます。炉が半分に分裂して開閉できる管状炉は、サンプルの搭載が容易です。動かせないサンプル(パイプや柱など、一体型の管状炉に通すことが難しい場合)や、引っ張り試験機に固定されたサンプル周囲に移動させることのできることも開閉式管状炉の利点です。